40代未経験からでも、保育士資格を取得することはできる?
はい、40代未経験からでも保育士資格を取得することができます。
実際に勉強が苦手な筆者が、40才で国家資格である保育士試験に挑戦し一回で合格することができたからです。
この記事では、保育士の試験を受けてみようか?
興味はあるけど、よく分からない…という方へ向けて
保育士資格の内容や勉強のスケジュールについて解説してきます。
ぜひ、ご覧ください。
保育士資格を取ろうと思ったきっかけ
(取得した保育士証)
保育士の資格を取ろうと思ったきっかけは、一度目の稽留流産でした。
当時、筆者は不妊治療をしていたのですが、やっと妊娠はしたももの稽留流産になってしまい色々な思いが胸の中で渦を巻いていました。
そんなとき…
「もし自分に子どもができなくても、子どもに関わることは何かできるんじゃない?」
ということを考えはじめ
子どもは好きだったので、お世話をしてみたいという気持ちと
心を痛めるような児童虐待のニュースを見ては、自分にも何かできないかなぁという気持ちが募っていきました。
そして、何をするにも資格はあった方が良い!と思い
先ずは本屋へ行き、試しに保育士試験の本を一冊購入してみることにしたのです。
保育士試験について
保育士の試験は、年に2回
4月に前期試験と10月に後期試験が各都道府県で実施され
一次の筆記試験と二次の実技試験の両方に合格する必要があります。
筆者の場合は、購入した本を読みはじめ試験を受けようと決心し本格的に勉強をはじめたのは4月、自身の年齢は40才になっていました。
筆記試験の内容
全9科目あり、先ずは一次の筆記試験に合格することを目指します。
9科目と問題数・試験時間
筆記試験は9科目、マークシート方式の出題になります。
科 目 | 問題数 | 試験時間 |
---|---|
保育原理 | 20問 | 60分 |
教育原理※ | 10問 | 30分 |
社会的養護※ | 10問 | 30分 |
子ども家庭福祉 | 20問 | 60分 |
社会福祉 | 20問 | 60分 |
保育の心理学 | 20問 | 60分 |
子どもの保健 | 20問 | 60分 |
子どもの食と栄養 | 20問 | 60分 |
保育実習理論 | 20問 | 60分 |
✅100点満点のうち、60点以上の得点で合格 (全20問のうち、12問正解すれば合格)
✅「教育原理」と「社会的養護」は、それぞれ50点満点で全10問ずつ出題されるので、各6問正解の30点以上の得点で合格
※「教育原理」と「社会的養護」は、同時に合格点に達する必要がある「ニコイチ科目」とも言われ、片方でも不合格の場合は次回の試験で両方受験しなければなりません。
一度に9科目合格できなくても大丈夫
合格できた科目については、科目別の合格が3年間有効(合格した年を含む)となり
合格できなかった科目については、次の試験で再度挑戦することができます。
筆記試験の勉強について
勉強期間
筆者の場合はスケジュール的に4月の前期試験に間に合わないため、10月の後期試験に筆記を受けることに決め
トータルで約6カ月の勉強期間を確保しました。
一日の勉強時間
正社員で働いていたので、疲れた日はサボることもありましたが
平日は、お昼休みの休憩時間+退社後にトータルで1時間ほど
休日は、2時間ほど
筆記試験の1カ月前には勉強時間を1~2時間増やしました。
当時は不妊治療も継続していたので、病院での待ち時間などの隙間時間も活用し勉強をしていました。
ネットで保育士試験について検索すると ”3カ月で一発合格!” などを目にすることもありますが
筆者の場合は、地頭に自信が無かったため時間をかけて勉強をしていったという感じです。
結果としてこれが、心に余裕を持つことができ良かったと思っています。
勉強方法
テキストを読み込み、動画も活用しながらとにかく問題を解きました。
保育士試験は全9科目のため、保育の歴史や法律、社会福祉の制度や心理学など、その幅は多岐に渡り、暗記しなければいけないことや苦手に感じる問題も沢山ありましたが
日々、知識が積みあがっていくコトをとても楽しいと感じていました。
勉強のポイント
先ずはテキストを読み込み、ある程度インプットし知識が入った段階で、必ず問題を解いたりメモをとったりアウトプットを行いました。
テキストを読んでいると勉強した気になりますが、問題を解く中で間違えた部分をもう一度復習し、問題を解いていくことで試験に応用できる思考を鍛え
ある程度の勉強が進むと試験本番に備え、過去問を解いて出題の傾向や時間配分などを確認していきました。
実技試験の内容
実技試験は、3分野のうち2分野を選択します。
筆者は、ピアノが弾けないため 造形(絵画)と言語(口演・素話)を選択しました。
1. 音楽(弾き歌い)
楽器はピアノ・ギター・アコーディオンからの選択、事前に課題が発表されるので当日は2曲を楽器を弾きながら歌います。
2. 造形(絵画)
当日に詳しいテーマが発表され、保育園での活動の一場面について色えんぴつで絵を描きます。
3. 言語(口演・素話)
事前に課題が発表され、3分間の制限時間内にお話をします。
実技試験の対策について
練習期間
10月の筆記試験を終えてから、実技試験(造形・言語)の練習をはじめました。
とにかく筆記試験は範囲が広いため、実技試験の練習まで手が回らないといったところが本音で、筆記試験さえ合格すれば、後は何とかなるだろうと考えていました。
実技試験は12月でしたので、実質の練習期間は1カ月半ほどでした。
一日の練習時間
造形(絵画)については、仕事の昼休みを利用しスケッチブックに色えんぴつで、想定した保育園での一コマを描く練習を行いました。
絵を描くことは学生の頃から割と好きだったので、楽しんで描くことができました。
また言語(素話)については、朝のお化粧をしている最中など口が空いている隙間時間に、自身で選択した「おむすびころりん」を子どもに話しかけるイメージで繰り返し練習しました。
ストップウォッチで制限時間である3分の設定をし、大きな声で恥ずかしがらず優しく話すことが大事です。
筆記試験の当日
筆記試験は、9科目ありますので2日に渡り受けることになります。
試験会場に到着し指定された教室に入ると、受験生は男性の方もおられ男女の年齢層も幅広いものでした。
試験で特に気を付けた点は、出題がマークシート方式のため回答の塗りつぶしを間違えるといったケアレスミスを行わないよう見直しを行ったことです。
当時、不妊治療の成果が実り妊娠3か月という身体での受験となりましたが、勉強をしてきたという気持ちが自信になり落ち着いて取り組むことができました。
実技試験の当日
筆記試験に合格し、1カ月半後に同じ会場で実技試験も行われました。
造形(絵画)について
造形を選択された方は、指定の教室に集まります。
試験の課題が配られると45分間の制限時間内に描き上げるため
課題の構成をさっと考え、練習した子どもや保育士のイラストのパターンを思い出しながら下書きをし、色えんぴつで着色、何とか時間内にクリアすることができました。
言語(素話)について
一人ずつ教室に入り試験官2名の前で素話をするといった具合で、自分の番が呼ばれるまでは少し緊張していましたが
いざ教室に入り「おむすびころりん」の素話をはじめる頃には、緊張もほぐれ予定通り話終えることができました。
ここでは子どもに話しかけるイメージなので、笑顔を作ることにより気持ちがほぐれたのかもしれません。
(実際の笑顔は、引きつっていたかもしれませんが)
実技については、事前の練習あるのみ!といった感じです。
これから保育士になるためには?
保育士資格をとる方法は2つ
1.指定保育士養成施設を卒業する
2.保育士試験を受験する(筆者の場合)
指定保育士養成施設(いわゆる大学や短大の保育科など)を卒業しなくても、受験資格を満たせば保育士試験を受験し、合格すれば保育士資格の取得ができます。
受験資格の確認については、全国保育士養成協議会の受験資格の確認で簡単にチェックすることができます。
保育士資格の合格率は?
厚生労働省が発表されている保育士試験の実施状況(令和3年度)を確認すると
1回目試験・2回目試験
受験申請者数 83,175名
合格者数 16,600名
おおむね、20%程度の合格率となっています。
ただこの確率は、一発合格での割合となっており
保育士資格の場合は、合格できた科目について科目別の合格が3年間有効(合格した年を含む)となり、合格できなかった科目については次の試験で再度挑戦することができるため
ちゃんと時間をかけて勉強さえすれば、合格することは可能だと感じています。
保育士資格の受験を決めたらやるべきこと
先ずは、全国保育士養成協議会のHPで
前期試験と後期試験の日程スケジュールを確認し、どちらを受験するかを決め
受験申請が必要です。
受験申請には、オンラインと郵送の2種類の方法がありますが、申請に係る費用が抑えられるオンラインがおすすめです。
項目 | オンライン | 郵送 |
---|---|
受験手数料 | 12,700円 |
払込に係る手数料 ※1 | 350円 | 313円 |
手引き請求郵送料等 | 不 要 | 370円 |
受験申請書 簡易書留郵送料 | 不 要 | 440円 |
合 計 | 13,050円 | 13,823円 |
※1 オンライン申請は「クレジットカード支払」の際に係る事務手数料等、 郵送申請は「現金での払い込み」の際に係る手数料を記載
最後に
振り返れば、保育士の資格をとって本当に良かったと感じています。
勉強したことは、実際の子育てに役立つ知識も多く助かっていますし
再就職を希望する際にも、保育士は求人が多いので就職先に困らないのではないかと思っています。
また、受験を通しこんな自分でもやればできるという自信を持つこともできました。
もしあなたが、保育士に興味があるのであれば
年齢など気にせず、ぜひ挑戦していってほしい!と思っています。
新しいことへの挑戦は、充実した楽しい毎日を作り出してくれるはず
心から、応援しています。
ぜひ、がんばってください!
最後までご覧いただき、ありがとうございました。